アンナ・ヴィニツカヤ ピアノ

主催・共催公演

凝縮された小品の魅力を深い叙情と透徹された美で描く


今年5月に大阪フィルハーモニー交響楽団との共演のために来?日された、アンナ・ヴィニツカヤさんからのメッセージです。

公演情報

日時 2016年9月16日(金) 12:10開演(11:30開場) / 14:30開演(13:50開場)
会場 大ホール
出演 ピアノ:アンナ・ヴィニツカヤ
曲目 【第1部】
シューマン:子供の情景 Op.15
ブラームス:幻想曲集 Op.116
【第2部】
ショパン:24の前奏曲 Op.28
料金 全席指定
1日券:1,800円
第1部・第2部 各:1,000円

ランチボックス券 ¥500(お飲み物・サンドウィッチ・焼菓子/限定150個)
チケットお取り扱い (各部券のみ取扱い)
備考 公演紹介:
シューマン〈子供の情景〉Op15、ブラームス〈幻想曲集〉Op.116、ショパン〈24の前奏曲集〉Op.28。一見なんの脈絡もないように見えながら、細部まで実に細かく目の行き届いた選曲、このプログラムには既に、アンナ・ヴィニツカヤの音楽家としての姿勢の確かさと審美眼、そして透徹した美意識が感じとれる。

〈子供の情景〉は、シューマンの中でもひときわ調性の連関性が強く意識された13の小品が連なる。それによって、聴き手は、あたかもひとつの大きな環の中で音楽が回っているかのような錯覚すら与えられる。第2部のショパンの前奏曲ではこの傾向はさらに顕著だ。こちらはバッハの平均律クラヴィーア曲集を手本にハ長調から5度ずつ上がっていく構成で、その間に平行短調が挿入されていく。思わずこぼれ出る独り言やため息の如く、ショパンの美と毒が壮大な詩集へと織り上げられる。そしてヴィニツカヤが得意とし、近年力をいれているブラームスから選曲された7つの幻想曲Op.116は、初期のベートーヴェンへの挑戦状のような気宇壮大なソナタ群や、高度な技巧を弾き手に要求する気力充溢期の中期の変奏曲と異なり、ブラームスが晩年に辿り着いたある種の達観した境地が、あらゆる無駄を削ぎ落とし磨きあげられ、結晶にまで昇華した音として楽譜に刻まれている。ここからシェーンベルク、ウェーベルンの世界の入り口はすぐそこだ。

このように、今回ここにヴィニツカヤが取り上げた音楽はすべて、まるで短歌や俳句のように極度に切り詰められた様式の中に、濃密な世界をしのばせるスタイルで作曲された曲で統一されている。

黒海のほとりノヴォロシースクに生まれ、北ドイツの港町ハンブルクに居を構えるヴィニツカヤにとって、ここ横浜、それもみなとみらいホールは、極めて親近感を抱くホールであろう。リヒテルやギレリスらの系譜に連なる深い楽譜の読みと卓越したテクニックを武器に音楽の深奥に迫るヴィニツカヤ。この日は、そうした彼女のさらなる深化、新たな境地がはっきりと聴きとれる日になるに違いない。

≪プロデューサー 西巻 正史≫
お問合せ 横浜みなとみらいホールチケットセンター :045-682-2000
アンナ・ヴィニツカヤ ピアノ [PDF形式:1.9 MB]
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